芳樟(ホウショウ)は
クスノキ科の高木で
クスノキの亜変種です
天然分布は
台湾の北部・中部及び東部がもっとも多く
他に中国南部にもいくらか生育しています
日本に生育している樟は
「樟脳」が採れますが
芳樟は樟脳がほとんど含まれず
主成分はリナロールです
このリナロール成分は
梅姫石けんの大切な成分のひとつです
開聞山麓香料園内の芳樟の葉 光輝く製油がタップリ
落ち葉を踏みしめても薫る Mao撮影
どちらもクスノキ科の植物で 主成分はリナロールです
ローズウッドはブラジルに生育していましたが 伐採が進んだため
絶滅の恐れがあると言われています
そのためローズウッド精油の代わりととして
芳樟精油に注目が集まりつつあります
ところがローズウッドのリナロールと 芳樟のリナロールとでは 少し違います
理由は 含まれているリナロールの種類です
リナロールに種類があるの?と思われる方も多いでしょう
リナロールには l体(左旋性)とd体(右旋性)があります
この2つは 香り等に 其々違いがあります
芳樟は l体のみ ローズウッドは l体とd体の混合です
芳樟のリナロールは l体ですが それを確かめるためには
「旋光度」というものを計ります
左旋性のリナロールは 旋光計の機械で計ると
「-(マイナス)」の値が出ます 逆に右旋性は「+」と表示されます
香りの世界は 量子の世界といわれる
寝かせ方や取扱方によって
其々に香りは変わるという
梅姫本舗独特の香りをお届けしたい
開聞山麓香料園内秘蔵の芳樟油:Mao撮影
それぞれの精油は
旋光度の数値がわかっているので
精油の品質を見るときに参考になる値です
大幅に違う数値のものは
他のものや
合成品が混ざっている可能性があります
芳樟精油の旋光度は
-2~-15と幅がありますが
左旋光度の高いリナロールほど
香りがよいとされています
本土最南端にある
開聞山麓香料園産の芳樟精油は
旋光度が
-14前後なので
たいへん品質の良いリナロールといえます
明治時代 台湾では樟脳の採れない芳樟は
「臭樟」と呼ばれ敬遠されていました
しかし明治の末期 この木から「リナロール」が採れることがわかり
「芳樟」に改称され
天然香料の供給源として盛んに栽培されるようになりました
当時リナロールは高級化粧品にはなくてはならない香料でした
戦後、曽田香料さんが台湾から種子を持ち帰り、鹿児島、指宿開聞町の
開聞山麓香料園さんに委託し 増産を開始 最盛期には年間3トンを抽出していました
ニッポン本土最南端のハーブ園 開聞山麓香料園内の芳樟の林 昭和16年日本初蒸留開始 Mao撮影
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梅姫本舗の品質の証です 本郷萌祥先生作画
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